インフルエンザ検査、発熱から何時間後がベスト?早く受けすぎるとどうなる?
「熱が出た!もしかしてインフルエンザかも?」そう思ったら、すぐに病院に行って検査を受けたいですよね。でも、実はインフルエンザの検査には、結果が正しく出るための**「適切なタイミング」**があるんです。早く受けすぎるとどうなるのか、そしていつ頃受けるのがベストなのか、分かりやすく解説します。
発熱後すぐの検査は要注意!「偽陰性」の可能性
インフルエンザの検査は、鼻や喉の奥から綿棒で粘液を採取し、その中にインフルエンザウイルスが持つ「抗原」という物質があるかどうかを調べる「迅速抗原検査」が一般的です。この検査は数分で結果が出ますが、注意したいのが、発熱後すぐに検査を受けても、ウイルス量が少なく、正しい結果が出にくいということです。
インフルエンザに感染していても検査結果が「陰性」と出てしまうことを**「偽陰性(ぎいんせい)」**と呼びます。発熱直後は体内のウイルス量がまだ十分増えていないため、検査キットがウイルスを検知できないことがあるのです。
例えば、発熱から12時間以内に検査を受けた場合、約6割が偽陰性になるという報告もあります。せっかく病院に行っても、正確な診断ができないともう一度受診することになり、時間も手間もかかってしまいます。
インフルエンザ検査のベストなタイミングは「発熱後12時間〜48時間以内」
では、いつ検査を受けるのが最も良いのでしょうか?多くの医療機関や専門家は、**発熱や症状が出始めてから「12時間以上48時間以内」**を目安に受診することを推奨しています。
- 発熱後12時間〜24時間: この時間帯からインフルエンザウイルスが体内で急速に増殖し、検査で検出しやすい量になります。陽性となる確率が徐々に高まります。
- 発熱後24時間〜48時間: 最もウイルスの検出感度が高まり、正確な結果が得やすいとされています。
このタイミングで検査を受けることで、偽陰性の可能性を減らし、より確実にインフルエンザの診断を受けることができます。
なぜ48時間以内が重要なの?「治療薬の効果」との関係
インフルエンザの治療には、タミフルやリレンザ、イナビル、ゾフルーザといった抗インフルエンザウイルス薬が使われます。これらの薬は、体内でウイルスの増殖を抑えることで、発熱期間を短くしたり、症状の重症化を防いだりする効果が期待できます。
しかし、これらの抗ウイルス薬は、発熱や症状が出始めてから「48時間以内」に服用を開始することが、最も効果的だとされています。48時間を過ぎてしまうと、ウイルスの増殖がピークを過ぎ、薬の効果が十分に発揮されない可能性が高まります。
そのため、正確な診断を受けて、できるだけ早く治療を開始するためにも、「発熱後12時間〜48時間以内」に医療機関を受診し、検査を受けることが非常に重要になります。
検査が陰性でもインフルエンザの可能性は?
インフルエンザの迅速抗原検査の精度は、発症からの時間経過で変わるとはいえ、100%ではありません。たとえ適切なタイミングで検査を受けても「陰性」と出ることがあります。
しかし、以下のような場合は、陰性であってもインフルエンザと診断されることがあります。
- 典型的なインフルエンザ症状: 高熱、全身倦怠感、関節痛、筋肉痛などが強く出ている。
- 周囲でインフルエンザが流行している: 家族や学校、職場でインフルエンザにかかっている人がいる。
- 医師の総合的な判断: 診察を通して、医師がインフルエンザと強く疑う場合。
特に、乳幼児や高齢者、持病のある方などは、重症化するリスクがあるため、検査結果だけでなく、医師が総合的に判断して治療を開始することがあります。
まとめ:発熱したら「少し待って」病院へ
インフルエンザの疑いがある場合、焦ってすぐに病院に行くよりも、発熱後12時間〜48時間を目安に受診することが、正確な診断と適切な治療への近道です。ただし、症状が非常に辛い場合や、脱水症状などが見られる場合は、迷わず早めに医療機関を受診し、医師の指示を仰ぎましょう。
日頃から手洗いやうがい、適切なマスク着用などで予防を心がけ、もしもの時は慌てずに正しいタイミングで対応してくださいね。