喪中だけど「あけましておめでとう」はNG?職場での適切な挨拶と配慮のコツ
新しい年を迎える際、「あけましておめでとうございます」は定番の挨拶ですが、自分が喪中の場合、「使っていいのかな?」「職場ではどうすればいいの?」と悩んでしまうことがありますよね。特に職場では、個人的な事情と仕事上の関係性のバランスが難しく、失礼なくスマートに挨拶を交わしたいものです。
結論から言うと、喪中の場合は「あけましておめでとうございます」という言葉は使いません。この記事では、喪中の期間や意味合いを簡単に解説しつつ、職場の上司や同僚に対して失礼なく、それでいて温かい気持ちが伝わる適切な新年の挨拶の言葉遣いをご紹介します。デリケートな時期だからこそ、互いを思いやる気持ちが大切です。
喪中とは?新年の挨拶を控える理由
喪中とは、近親者が亡くなった際に、故人を偲び、一定期間慶事を控える期間のことです。一般的には、身内が亡くなってから一周忌までの期間を指すことが多いですが、故人との関係性によって期間の目安は異なります。
この喪中の期間中は、お祝い事を慎み、年賀状のやり取りも控えます。そのため、「おめでたい」という言葉を含む「あけましておめでとうございます」という挨拶も避けるのがマナーとされています。
職場での「あけましておめでとう」に代わる挨拶の言葉
喪中の場合、職場での新年の挨拶は、以下のような言葉に置き換えるのが適切です。相手への配慮と、新しい一年への前向きな気持ちを伝える言葉を選びましょう。
一般的な状況で使える挨拶
新年の最初の出勤日に、上司や同僚に使える基本的な挨拶です。
- 「本年もどうぞよろしくお願いいたします」
- 最も無難で丁寧な表現です。相手に「おめでとう」を言われた場合にも、この言葉で返すことができます。
- 「今年もよろしくお願いいたします」
- 「本年も」よりも少し柔らかい印象で、親しい同僚にも使いやすいでしょう。
- 「旧年中は大変お世話になりました。本年もよろしくお願いいたします」
- より丁寧に、一年の感謝と新年の抱負を伝えたい場合に適しています。
- 「ご挨拶が遅くなりましたが、本年もよろしくお願いいたします」
- 年末年始の休暇明けなどで、少し時間が経ってからの挨拶の場合にも使えます。
相手を気遣う気持ちを込めた挨拶
相手がこちらの喪中であることを知っている場合や、特に親しい関係性の相手に使える言葉です。
- 「昨年中は大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします」
- 個人的な事情に触れずに、感謝と新年の挨拶を伝えられます。
- 「変わらず、本年もよろしくお願いいたします」
- 日常の継続を思わせ、デリケートな状況を察している相手に寄り添う表現です。
状況に応じて使える一言
- 「寒い日が続きますが、どうぞご自愛ください」
- 相手の健康を気遣う言葉を添えることで、丁寧さが増します。
- 「今年も〇〇さんのご活躍を楽しみにしております」
- 相手の仕事への期待や応援の気持ちを伝えたい時に。
喪中に年賀状の代わりに送る「寒中見舞い」
年賀状は「おめでたい」意味合いが強いため、喪中の場合は控えるのがマナーです。代わりに、松の内(一般的に1月7日まで)が明けてから、立春(2月4日頃)までの間に「寒中見舞い」を送ります。
寒中見舞いでは、故人のことには軽く触れる程度にし、相手の健康を気遣う言葉や、旧年中の感謝、新年の挨拶を記します。
例:
「寒中お見舞い申し上げます
昨年は大変お世話になりました
本年もどうぞよろしくお願いいたします
寒さ厳しき折、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます」
職場の上司や同僚に個人的に送る場合は、この形が丁寧です。もちろん、最近ではメールや口頭で済ませることも増えているので、状況に合わせて判断しましょう。
職場での「喪中」の伝え方と配慮のコツ
職場で自分が喪中であることを伝えるかどうかは、基本的には個人の判断ですが、配慮すべき点もあります。
1. 伝えるタイミングと範囲
- 直属の上司: 亡くなったことを報告する際に、喪中である旨も伝えておくと、その後の配慮(年賀状の辞退など)がスムーズです。
- 同僚: 親しい同僚には個別に伝え、それ以外は特に伝えなくても問題ないでしょう。ただし、年賀状のやり取りがある場合は、年末に「喪中のため、年始のご挨拶は控えさせていただきます」といった連絡をしておくと丁寧です。
2. 相手からの配慮に感謝を伝える
もし相手が喪中であることを知っていて、「今年もよろしくね」といった言葉をかけてくれた場合は、感謝の気持ちを伝えることが大切です。
「ありがとうございます。こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします」と、笑顔で返しましょう。無理に喪中のことに触れる必要はありません。
3. 周囲への配慮も忘れずに
自分が喪中であることを周囲が知らない場合、相手から「あけましておめでとうございます」と言われることもあるでしょう。その際は、無理に自分の喪中を告げる必要はありません。笑顔で「本年もよろしくお願いいたします」と返すのがスマートです。
まとめ:相手を思いやる気持ちが一番大切
喪中の新年の挨拶は、デリケートな問題ですが、職場では「本年もどうぞよろしくお願いいたします」といった言葉に置き換えるのが最も適切で丁寧な方法です。
大切なのは、言葉の形式以上に、相手を思いやる気持ちと、新しい一年を前向きに進もうとする姿勢を示すことです。自身の状況を適切に伝えつつ、周囲への配慮も忘れずに、スマートに新年の挨拶を交わしましょう。