【徹底解説】知っておきたい!虫よけ成分DEETとイカリジン
蚊や不快な虫から身を守るために、虫よけスプレーは私たちの強い味方ですよね。でも、お店に行くとたくさんの種類があって、「結局どれを選べばいいの?」と迷ってしまうことはありませんか?
実は、市販されている虫よけスプレーの多くには、主にDEET(ディート)とイカリジンという2つの有効成分のどちらかが配合されています。それぞれの特徴や安全性、効果の持続時間などを知っておけば、自分や家族にぴったりの虫よけを選ぶことができますよ。
今回は、このDEETとイカリジンについて、徹底的に解説していきます!
虫よけ成分の二大巨頭:DEETとイカリジンとは?
まずは、それぞれの成分がどんなものなのか、基本的なところを見ていきましょう。
DEET(ディート)とは?
**DEET(N,N-ジエチル-m-トルアミド)**は、1950年代から世界中で使われている、最も歴史のある虫よけ成分です。蚊、ブユ、アブ、マダニ、ノミ、トコジラミなど、非常に幅広い種類の虫に効果を発揮します。
蚊が人の肌の匂いや熱を感知して寄ってくるのを、DEETの匂いが邪魔することで「そこに人がいる」と認識させなくする、というメカニズムで虫を忌避します。
イカリジンとは?
イカリジン(ピカリジン)は、1980年代にドイツで開発された新しい虫よけ成分です。DEETと同様に、蚊やマダニなど幅広い虫に効果がありますが、DEETと比較して肌への刺激が少ないとされており、無臭でべたつきが少ないという特徴もあります。
蚊が人の匂いを感知するレセプター(受容体)をブロックすることで、人を認識させなくする、というメカニズムで虫を忌避します。
DEETとイカリジンの効果と持続時間
虫よけ成分を選ぶ上で、どれくらいの時間効果が続くのかはとても気になりますよね。効果の持続時間は、成分の濃度によって変わってきます。
DEETの効果と持続時間
DEETは濃度が高いほど持続時間が長くなりますが、ある程度の濃度を超えるとそれ以上の効果の伸びは少なくなると言われています。
10%前後の濃度: 約3~4時間程度の持続効果が期待できます。
12%の濃度: 約3~5時間の持続効果が期待できます。
30%の濃度: 約5~8時間程度の持続効果が期待できます。
日本の製品では、一般用医薬品が12%まで、医薬部外品はそれ以下と定められています。海外製品では、さらに高濃度のものもありますが、高濃度であればあるほど肌への負担が増す可能性があるため、必要な時間に合わせて濃度を選ぶのがおすすめです。
イカリジンの効果と持続時間
イカリジンも濃度によって持続時間が変わります。
5%の濃度: 約6時間程度の持続効果が期待できます。
15%の濃度: 約6~8時間程度の持続効果が期待できます。
イカリジンはDEETと比較して、比較的低濃度でも効果が長時間持続するのが特徴です。
DEETとイカリジンの安全性と使用上の注意点
どちらの成分も、適切に使用すれば安全性が高いとされていますが、それぞれ注意すべき点があります。
DEETの安全性と注意点
DEETは長年の使用実績があり、正しく使えば安全性が高い成分です。ただし、以下のような注意点があります。
年齢制限と使用回数制限: 日本では、厚生労働省のガイドラインにより、DEETの濃度に応じて年齢と1日の使用回数に制限が設けられています。
生後6ヶ月未満: 使用不可
6ヶ月~2歳未満: 1日1回まで(DEET濃度12%以下の場合)
2歳~12歳未満: 1日1~3回まで(DEET濃度12%以下の場合。製品による)
12歳以上: 濃度30%のものも使用可能で、使用回数に制限はありません。
皮膚への刺激: 人によっては、肌に塗ると刺激を感じたり、かぶれや赤みが出たりする場合があります。敏感肌の方やアレルギー体質の方は注意が必要です。
プラスチックや化学繊維への影響: DEETは、プラスチック製品(腕時計のバンド、メガネのフレームなど)、合成繊維(レーヨンなど)、皮革などを変質させる可能性があります。衣類に使用する場合は、綿やナイロン素材の衣類を選ぶか、目立たない場所で試してから使用しましょう。
顔への塗布: 目や口の周り、傷口、炎症を起こしている部位には塗布しないようにしましょう。顔に塗る際は、一度手のひらに出して、少量ずつ塗るようにしてください。
塗り直し: DEETは汗などで流れやすいため、長時間屋外にいる場合や、汗をたくさんかいた場合は、こまめな塗り直しが必要です。
イカリジンの安全性と注意点
イカリジンは、DEETと比較して肌への刺激が少ないとされており、年齢や使用回数の制限がないのが大きな特徴です。そのため、小さなお子さんから大人まで安心して使える成分として注目されています。
肌へのやさしさ: 皮膚への吸収率がDEETより低いとされており、肌への負担が少ないと言われています。そのため、敏感肌の方やお子さんにも使いやすいでしょう。
年齢・使用回数制限なし: 乳幼児から使用でき、1日に何回塗っても問題ないとされています。
プラスチック等への影響なし: プラスチック製品や化学繊維を変質させることがないので、服の上からスプレーしても安心です。
匂い・べたつき: 無臭でべたつきが少ない製品が多く、虫よけ特有の匂いが苦手な方にもおすすめです。
ただし、目に入った場合は刺激を感じることがあるので、注意して使用しましょう。
結局、どちらを選べばいいの?選び方のポイント
DEETとイカリジン、どちらも優秀な虫よけ成分ですが、用途や使う人に合わせて選ぶのがポイントです。
DEETがおすすめなのはこんな時!
幅広い虫対策が必要な場合: 蚊だけでなく、マダニ、ブユ、アブなど、様々な種類の虫からしっかり身を守りたい場合に最適です。
長時間の効果が必要な場合: 登山やキャンプ、海外旅行など、長時間の外出で、こまめな塗り直しが難しい状況で効果を発揮します。
コストを抑えたい場合: 比較的安価な製品が多い傾向があります。
イカリジンがおすすめなのはこんな時!
小さなお子さんや敏感肌の方: 年齢制限がなく、肌への刺激が少ないため、お子さんや肌が弱い方でも安心して使えます。
日常使いや短時間の外出: 公園遊びや散歩など、日常的に気軽に虫よけを使いたい場合に便利です。
匂いやべたつきが苦手な方: 無臭でべたつきが少ない製品が多いため、使用感が良いものを求める方におすすめです。
衣服や持ち物への影響が気になる方: プラスチックや化学繊維を傷つける心配がないため、安心して使用できます。
併用や使い分けもアリ!
状況に応じて、DEETとイカリジンを使い分けるのも賢い方法です。
例えば、
普段の公園遊びにはイカリジン配合のものを。
山やアウトドアなど、虫が特に多い場所へ行く際はDEET配合のものでしっかり対策する。
お子さんにはイカリジン、大人は活動に合わせてDEETとイカリジンを使い分ける。
など、ライフスタイルに合わせて選びましょう。
まとめ:正しく選んで、快適な虫よけ対策を!
DEETとイカリジンは、それぞれ異なる特徴を持つ虫よけ成分です。どちらも適切に使用すれば安全性が高く、効果的に虫から私たちを守ってくれます。
DEET: 長年の実績と幅広い虫への効果が魅力。濃度と年齢・回数制限に注意が必要。
イカリジン: 肌への刺激が少なく、年齢・回数制限がないのが魅力。匂いやべたつきが少ない。
これらの情報を参考に、今年の夏は、ご自身やご家族にぴったりの虫よけを選んで、快適なアウトドアライフを楽しんでくださいね!
もし、虫よけ成分について、さらに気になることがあれば、お気軽にご質問ください!